猿田泰寛saruta yasuhiro オフィシャルWEB

今回のコンサートはお話を頂いた時から非常に重いプレッシャーに襲われた...!
オーケストラは国内外で非常に高い評価を得ているオーケストラアンサンブル金沢、共演者は、自分が学生時代から憧れていた芸大の後輩にあたる松本和将クン、さらには指揮者はあの日本クラシック界の巨匠である岩城宏之さん!!!!
さらにさらに!曲目はモーツァルト(演奏家なら誰でも最大の不安と恐怖を感じる作曲家)という僕にとってはこの上ない生き地獄のような(苦笑)コンサート!!!
勿論頭のどこかではこの「生き地獄のようなコンサート」は僕にとっては「この上ない光栄なコンサート」である事は分かっていたのだが、そうは分かっていても、とにかく震え上がっていた。。(苦笑)
しかし、(良いか悪いかは別として)楽観主義者である僕はこの話を引き受け、この「試練」にチャレンジする事を決意した!
皆さんもご存知の通り、残念ながら岩城氏は他界してしまったのだが、僕にはまだまだ充分過ぎる程のプレッシャーはあった。
そうこうしている内にコンサートツアーも迫って来た10月の始め、松本市音楽文化ホールのご好意により松本クンと初めてのリハーサルを行い、まずその「不安」は少し緩和された。
その不安を払拭してくれたのは、何をおいても彼のその人間性だった。あそこまでの才能・実績を持ちながらも、謙虚さと優しさを忘れる事のない彼の性格は本当に絶賛!の一言!!!
僕は今まで本当に沢山の素晴らしい共演者や指導者に恵まれて来たけれど、今回もまたこのような素晴らしい芸術家と一緒に音楽する事が出来て、本当に自分は幸せモノだと実感した!!!
僕が芸大の学生の頃、彼は日本音楽コンクール(日本で最高峰の国内コンクール)で優勝したのだがその時の彼の演奏の感動は今でも鮮明に覚えている。
彼の音楽の生命力の強さはケタ違いで、それはその後の彼の活躍を見ても一目瞭然なのだがその彼と今回共演する事によって、彼の音楽の作り方、感じ方等を少し垣間見えたのはこの上ない彼からのプレゼントだった!

ここで、今回のツアー中の彼のエピソードを一つ!
今回のツアーが始まる直前、ツアー関係者から突然「アンコール用に何か曲を用意してくれ」と依頼され、急遽曲を用意しなければいけなくなった。
曲は僕が今年の2月に根岸弥生氏と弾いたベンジャミンの「ジャマイカン・ルンバ」に決まったが、彼はまだこの曲を弾いた事がなく、あいにく楽譜がすぐには手に入らなかった。
彼はツアー開始前日の金沢市でのリハーサル時にその楽譜を手に入れた。
その練習時、彼は初めてみたその楽譜を数十秒眺めると、「よし!やろう!」と言って初見状態にも関わらず、いきなり最後まで完璧に弾き切ってしまった!!!!!
テンポ感、フレーズ感、相手との呼吸、ニュアンス全て完璧に...!!!!!
とんでもない才能だと開いた口がふさがらなかった!!(笑)
さらに驚かされたのは、ほとんど練習していないにも関わらず、ツアー二日目の松本公演の本番のアンコールで、暗譜で完璧に弾いてしまったのだ!!!!!!
.......絶句............!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
彼とは今回のツアーで長時間を共にした。ツアー中何度もリハーサルをし、食事を共にし、移動もお互いの車で長距離ドライブを楽しんだ。
彼の寛大で、優しく、さらには面白い人間性のお蔭で、本当に楽しいツアー生活を送る事が出来た!
彼には本当に感謝!感謝!!感謝!!!の一言に尽きる!
本当にありがとう!!!

指揮者の天沼氏も本当に優しく、素晴らしいお方で、親切に、丁寧に指導して下さり本当に嬉しかった!!
オーケストラアンサンブル金沢の皆さんも、優しく接してくれた!!
その他の関係者も含め、全ての方が素晴らしい方ばかりで、本当に楽しくコンサートツアーをする事が出来ました!

本当にありがとうございました!!!
このツアーは僕の音楽人生にとって本当に忘れる事の出来ない大きな宝物となりました!!!